農業経営Tips!

農業の確定申告でまちがえやすい7つのこと

今回は、農業の確定申告において、申告者が勘違いしやすい事例をご紹介いたします。

▼家事消費分
畑で収穫した農産物を家族で食べたり、親戚に送ったりした場合は、その分においては収入金額として計算します。

棚卸資産等を家事のために消費又は贈与した場合は、通常の販売価額で収入金額に計上しますが、 仕入価額で記帳している場合は、仕入価額か通常の販売価額の70%とのいずれか多い金額を、その年収入金額とします。

家族で食べる自家消費した分や、親戚や知人に贈答した分などは「家事消費分」と呼ばれ、その分についても税法上では収穫した時点で所得が発生したことになり、農業所得として申告が必要となります。

▼福利厚生費
従業員ではない、専従者のために支払った飲食代や保険料などを、福利厚生費として必要経費に算入することは出来ません。

福利厚生費は、従業員の慰安、保健、療養などのために支払った費用及び事業主が負担することとなっている健康保険、雇用保険などの保険料のため、それ以外の、事業主又は事業専従者などに対して支出した費用は必要経費には算入することは不可です。

▼損害保険料
長期総合保険、農協の建物共済などで積立部分のある損害保険料は、損害保険料のうち、積立部分の保険料は資産計上し、積立部分以外の保険料のみが必要経費となります。

▼障害者控除
市町村等から「障害者」の認定を受けなければ、障害者控除の適用はできません。

所得税や住民税の障害者控除は、障害者手帳や療育手帳の交付を受けている人などが対象となりますが、65歳以上で要介護認定を受けた人で、市町村から障害者控除対象者として認定を受ければ、障害者控除が適用されます。

▼青色事業専従者
青色事業専従者とは、納税者と生計を一にする配偶者その他の親族で、その農業に専従することが要件とされていますので、他に職業がある場合など専従しているとは言えない場合には、専従者給与を必要経費に計算できません。

また、農家さんのなかには未払いであるにも関わらず、専従者給与を経費で計算している方もいますが、実際に給与として支給したものでなければ、必要経費に算入されませんのでご注意ください。

▼扶養控除(同居老親等)
同居老親等に係る扶養控除の要件の「同居を常況としている」とは、「生計を一にする」とは異なり、 施設等に預けずに、在宅により面倒を見ることを指します。したがって、老人ホーム等に入所している者は、同居しているとはいえないため、58万円の控 除は計算できません。

なお、病気治療のため病院に入院している場合は、同居しているものとして取り扱うことができます。

▼寡婦控除・寡夫控除
離婚で扶養親族がいない者は、寡婦控除が適用されません。寡婦控除(または寡夫控除)は条件が細かく規定されており、とても分かりにくいですが、以下が控除金額と必要な条件です。

他に注意すべき点は、その年の12月31日時点において寡婦・寡夫であるかが条件になるので、年の途中で寡婦・寡夫になった場合でも、その年の寡婦控除・寡夫控除の適用は可能です。また、以前は65歳以上の方は、条件に一致しても寡婦(寡夫)控除は適用できませんでしたが、老年者控除の廃止にともなって、現在では年齢制限は廃止されています。ただし、「夫」や「妻」とは、民法上の婚姻関係を指すので、いわゆる事実婚は該当しないので注意しましょう。