農業経営Tips!

農業で外国人実習生を受け入れるときに知っておきたいこと

▼北海道農業と外国人実習生の関係性
現在、北海道農業全体、特に酪農の分野で労働力不足がクローズアップされていますが、この問題において近年注目を集めているのが外国人実習生の受け入れです。

北海道庁の資料によれば、全産業において2013年には5000人だった外国人技能実習生の数は、2015年には6000人を超え、年々と受け入れが拡大しています。さらに、これまで最長3年であった外国人実習生の実習期間が、2016年に国会で成立した「技能実習法」により最長5年まで延長可能となったことから、外国人実習生は今後ますます増加していくものと思われます。

▼外国人実習生は儲かっているのか?
報道などで、アジアの一部地域においては高い経済発展から賃金水準が近年上がっていることを耳にしたことがあるかもしれません。実際に、そのような地域も増えては来ていますが、フィリピン、ベトナムのように発展途上にある国ではまだまだ日本の生活水準には届かないのが実情です。

そんななか、外国人実習生の給料はどのように決めれば良いのでしょうか。もちろん、具体的には、実習生を派遣する組合等でガイドラインを定めていると思いますが、実際に気になるのは、彼らのモチベーション。これを紐解くため、実際に彼らの母国の生活水準を見ていきましょう。

▼諸外国の賃金水準と生活水準
○フィリピンの職種別月額
製造業(一般工):12,652ペソ=27,406円
製造業(中堅技術者):20,747ペソ=44,942円
非製造業(一般職):24,452ペソ=52,967円
※1フィリピンペソ= 2.17円(2018年12月3日現在)
※小数点以下切り捨て
○ベトナムの職種別月額
製造業(一般工) 4,223,860ドン=20,593円
製造業(中堅技術者) 9,387,180ドン=45,766円
非製造業(一般職) 9,547,230ドン=46,546円
1ドン=0.0049円(2018年12月3日現在)
※小数点以下切り捨て

国際労働機関(ILO)によると、フィリピンの平均年収は、日本円で約48万円とされています。フィリピンでもっとも高い月収のひとつが教授など教育関係者と言われていますが、全ての業種の平均的な賃金水準は日本人の約1/10 程度のようです。

また、フィリピン在住の筆者の親戚によると、物価は日本と比べて3 分の1 程度とのことで、1回の外食にかかる費用は日本円で50円~300円。住居にかかる費用は、ランクの高いコンドミニアムの場合でも日本円で25,000円/月から。また、1回の移動にかかる公共の交通機関は、電車代が25~30円。バス代が20円。初乗りのタクシー代が100円だそうです。

こう見ると、現在のフィリピンは、賃金水準も物価も日本と比較すると低いように思われますが、経済発展により、日本円で5万~15万の賃金といわれる中間層も増え、対円での物価は10年前と比較して倍増したとの話もあります。

一方、ベトナムの生活水準はどうでしょうか。ホーチミン市で一般的なアパートを借りると、日本円で1万~3万円前後が相場のようです。その他の相場は、初乗りのタクシー代が、70円。食堂の定食が170円。レストランでの生ビールが175円。コンビニのおにぎりが45円。500mlペットボトルのお茶が56円だそうです。

ベトナム経済は急速に発展してきているイメージがありますが、アジア他国と比較して、国内での経済格差はそれほど大きくないようで、日本円に換算するとフィリピンと大きな開きはないと言えます。しかし、前述の通り、フィリピンの中間層が増えた影響で、日本に来る外国人実習生でフィリピン人が減り、ベトナム人が増えてきているようです。