農業経営Tips!

小規模企業共済、経営セーフティ共済とはなにか

今回は2つの共済制度をご紹介します。将来に向けての貯蓄と節税の点で、使い方によっては大きな効果を発揮することができます。

▼小規模企業共済とは?
「小規模企業共済」とは、個人事業の経営移譲や廃業、会社役員の退任、共同経営者の退任などで必要となる生活資金を、事前に退職金として積み立てる共済制度のこと。加入できるのは法人役員、個人事業主、個人事業の共同経営者2名(配偶者や後継者夫婦など)です。

乳価の引き上げや畑作関係の所得対策により、節税を意識する方が増えてきたためかと思われます。せっかく貯蓄を行うなら節税効果もある方法を検討してはいかがでしょうか。

掛金は月額1,000円~70,000円のあいだで設定・変更ができます。支払った掛金は、国民年金や農業者年金と同様に「所得控除」として計算し節税効果が期待できます。

どのくらい節税になるか、毎月の給料の額や所得に応じて変わるので、給与所得を例に比較してみましょう。

退職金として受取った共済金にかかる税金は、加入年数1年ごとに40万円の控除があるため、10年間加入していた人は、40万円×10年=400万円までは課税されません。この控除を超えた金額のみが課税の対象となります。

▼経営セーフティ(倒産防止)共済とは、どのような制度か?
「経営セーフティ(倒産防止)共済」とは、個人事業主や法人が、取引先が倒産し売掛金等の回収が困難となった場合に、最大で掛金の10倍(最高8,000万円)の貸付(融資)を受けられる制度です。農業経営者にはあまり馴染みがない制度かもしれませんが、掛金に応じて貸付を受ける以外、以下のような節税効果を求めて加入する人が増えています。

○掛金は全額損金になります
月額5,000円~20万円(年額6万円~240万円) まで5,000円単位で幅広く設定でき、年間の支払総額が事業上の経費として認められます。

また、経営の状況に応じて掛金の増額・減額、また年払いや月払いの選択も可能です。

○掛金は最大800万円まで積立が可能
掛金の総額が800万円に達するまでは継続して積立(経費にすること)が可能で、800万円に達していない場合であっても、掛金総額が月額の40倍に達した場合は、払込みを止めることも選択できます。また、共済金の貸付けを受けた場合も、6ヶ月間掛金の払込みを止めることができます。

つまり、掛金が月額1万円の場合、40万円まで達した時点で掛け止めが選択できるということです。

○解約時には全額収入として課税が可能
12ヶ月分以上の納付実績があれば、好きな時に解約して今まで掛けた(積み立てた)掛金を解約手当金として一括で受け取ることができます。しかし、その際入金した全額は「事業上の収入」として課税の対象として計算されます。

この共済制度は一度解約したあとに再加入することも可能なので、制度をうまく活用して節税と資金繰りに活用するといいでしょう。

○注意する点
利益が出る年に掛金を多く支払って節税し、利益が出ない年に収入として計上して、所得調整や資金繰り改善を行うことも可能です。しかし、納付月数40ヶ月(3年4ヶ月)未満での解約については原則、元本割れとなりますので、そ のあたりの考慮については注意が必要です。